2017年4月28日金曜日

System Control: Lecture in graduate course, Dept. EE by KOSEKI held on the 28th April and the 26th May 2017

Herewith you can download the materials use in Koseki's lecture.

[1] Slides on the 28th April on fundamental classical controller design methods: Download  the file from this link.

[2]  Exercises: Download  the file from this link.

[3] Matlab codes for the exercises: Download  the file from this link.

[4] Slides on the 26th May on magnetic levitation: Download  the encrypted file from this link. (Please input the password given in the lecture on the 28th April.)

2017年4月5日水曜日

3年生夏学期講義 電気機器学基礎 2017/07/04改訂

---What's new?---
4/18 4/24に提出をお願いする第2回目の演習問題をアップロードしました。その中で講義終了時にご指摘のあった、板書の誤記も修正しています。
4/9 4/10のスライドおよび第1回目の演習問題をアップロードしました。
4/25 教科書の補足文書へのリンクを追加しました。
5/16 第3回めの演習問題の図のにあった誤記を修正しました。
5/23 5/29が「休講」となることを前提に、関連する記述を改訂しました。
6/12 期末テストの日時を追記しました。(期末テストは木曜日午前ですのでご注意!)
7/04 7/10 提出予定の演習課題をアップロードしました。(これが最後になります!お疲れ様でした。)

----本学期の講義予定----
回数 日 曜日 テーマ 内容
1) 2017/04/10 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換
電気機器の種類と歴史
電気機械の種類と分類
電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性

4/17に提出をお願いするレポート課題をこちらからご入手ください。
  ★講義レポートといえども「読み物として完結」している必要があります。したがって、
(1) 学生証番号/氏名
(2) 表題(講義レポートの場合には問題文の再掲でも良い)
(3) 内容(事実と意見コメントなどは明確に分けて書くのが良い)
(4) (必要に応じ)参考文献リスト、参考資料の出典
などの基本的事項が、たとえ短い報告書であっても形式的に明確に示すようにしてください。

4/10に用いたスライドのコピーをこちらからご入手ください。(講義で示したPW付き、約10MB)

2) 2017/04/17 月
電気機械エネルギー変換の物理的基礎
エレクトロニクスとパワー
電気機器学の学問としての位置づけ
基本的な物理の復習と電気機器の議論でよく登場する物理量

4/24に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

3) 2017/04/24 月
思考の上手な手抜き:交流電力の考え方
瞬時電力と平均電力、 皮相電力/有効電力/無効電力
単相交流と三相交流
なぜ電力システムで三相交流が好んで用いられるのか?

5/1に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。
(できるところまで考えて記入し、よくわからない所はとりあえずそのまま空欄にして次の講義に臨んでもいいです。)

4) 2017/05/01 
磁気回路法によるモデリング(導入+変圧器の復習)
三相交流の典型的な電力測定法 ---2電力法
午後の学生実験課題との関係: 変圧器(と誘導機)の等価回路
変圧器の等価回路と測定法(ごく簡単に!)
5/8に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

5) 2017/05/08 月 
電磁誘導における各種起電力の整理  (変圧器・回転機動作の直感的理解のために!)
誘導機の等価回路(速修)と測定法 (ごく簡単に!)
直流機入門: 他励直流機とその定常的な回路方程式
5/15に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

6) 2017/05/15 月  
直流機(続き):
他励直流機の結線と特性の比較
各種自励直流機の結線と特性比較 (+複巻電動機・発電機)  
速度制御と弱め界磁  
直流機の過渡現象の制御モデル

5/22に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

次回に扱う、3相巻線に3相対称交流電流を流すことで進行磁界(回転磁界)ができる原理を、次の図を見て理解を深めてください。


7) 2017/05/22 月 
誘導電動機I
   三相対称交流と回転磁界 
    誘導電動機の原理と等価回路

6/05に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

誘導機の等価回路を導くまでの詳細な説明については、こちらをご参照ください。(学術的な参考資料としてお考えください。導出課程は結構複雑なので、この理解は必須とはしないつもりです。)

8) 2017/06/05 月 
誘導機II
誘導電動機の原理と等価回路(=T型、π型等価回路)
等価回路に基づく特性計算 テブナンの定理と 
            すべり---トルク特性
誘導機の始動法と比例推移特性
誘導機におけるエネルギーの流れ
スリップの意味と、速度、トルク特性(起動トルク 定格動作点の考え方)
誘導機の動作モード(電動機モード、逆相制動モード、回生制動モード)

6/12に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

9) 2017/06/12 月 
誘導機III
モデル同定のための測定法
円線図を用いた特性の表現
空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)

6/19に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

10) 2017/06/19 月
同期機 I
直流機は特別な形態の同期機と考えることもできる。 
== 三相巻線と同期発電機の原理

構造と分類, 同期機の機能, 電機子反作用

6/26に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。

11) 2017/06/26 月 同期機 II 
特性のモデリング(円筒形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
特性のモデリング(突極形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
測定法  


12) 2017/07/03 月 同期機III
単位法・同期発電機と電力系統
同期電動機の種類とその特長、同期電動機: トルクの発生原理 V特性と同期調相機


-------------------------------------
7/10 に提出をお願いするレポートの課題をこちらからご入手ください。


13) 2017/07/10 月 
同期機の復習 期末テストに向けて: 演習問題の振り返り


(余裕があれば....)
パワーエレクトロニクス入門 
(<-- p="">
(パワー半導体デバイス、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, オンオフ機能を持たない素子と転流回路, 高調波問題と解析法,
オンオフ制御能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ
+電気駆動制御と座標変換
制 御 同期機の原理と直流機の関係
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、
制御と電気機器の一般理論?)


14)  7/27(Thu) 期末テスト@2##号教室 09:00-12:00
講義アンケートの配布 


         自分で書いたA4の紙1枚持ち込み可能

以下の☆の数はあくまでも初心者向けという観点からの古関の個人的見解に基づくものです。

--- 本年度教科書指定---
仁田旦三・古関隆章:
 新・電気システム工学 電気機器学基礎 数理工学社 ISBN-978-4-901683-76-0 
  作業中で不完全ですが正誤表や演習問題の解答をここでご覧ください

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>
☆☆☆☆「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)
(専門性の高いレベルまでコンパクトにまとめられている。)
電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

☆☆☆☆☆:西方正司 基本を学ぶ電気機器 (オーム社 ISBN-978-4-274-21138-6)
(初学者に大変わかりやすく記述されている!)

☆☆☆藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:「最新小型モータが一番わかる ~基本からACモータの活用まで~ (しくみ図解)」見城 尚志, 陳 正虎, 簡 明扶 著
出版社: 技術評論社 (2013/3/27), ISBN-10: 4774155845, ISBN-13: 978-4774155845

技術に興味のある人向けの一般的な解説書ですが、写真や図が具体的で、原理的な理解を深めるのに適していると思います。

☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
「小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

☆仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社

<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版

総合科目「足からロケットまで ---走る/飛ぶ/探る科学入門」 2017/07/17改訂

総合科目「足からロケットまで
---走る/飛ぶ/探る科学入門」


平成29年04月05日
取りまとめ:工学部電気電子工学科 教授  古関隆章 (URL http://www.koseki.t.u-tokyo.ac.jp, e-mail: takafumikoseki AT ieee.org) 場所: 駒場キャンパス 104教室 金曜日5限(16:50-18:35) Skype: takafumikoseki 科目コード 31682


===WHAT'S NEW===
4/5 講義のページを立ち上げました。
4/9 4/7の講義資料アップロードしました。
4/14以後の講義は 104号教室に変更になっていますのでご注意ください。
5/30火曜日は金曜日扱いですので、本講義があることにご注意ください!

===============
標記講義を、駒場キャンパスにて開講します。
  ものを動かすことに興味のある人は、目指す専門分野を問わず広くご参加くださりますよう願っております。大学の 講義では細かく見ればわからないところがたくさん出てきますが、それはむしろ当たり前のことです。わからないことがあったことを、いちいち気にする必要は ありません。大切と思われることを、必要に応じて自分で調べ、あるいは教員に積極的に質問し、わからぬことをわからぬままに放置せぬ努力を忘れねば大丈夫 です。
   人や物を効率良く運ぶことが、文明社会の成立に欠かせず、移動手段を提供する技術が、我々の生活の基本を支え、そして生活を楽し く豊かにするために大切です。実際、日常的な生活の中で、自動車や鉄道などの身近な交通は不可欠なものとなっていることを実感しているでしょう。人々は太 古の昔から、速くて、快適で、便利な移動手段を求めてきました。近年は、これに加えて、安全性への意識も高まっており、環境への負担の少ない交通、高齢社 会への移行に伴い「交通弱者でも移動の自由が奪われない」バリアフリーに対応した交通など、移動手段の「質」に対する要求もさらに高いものとなっていま す。このような様々な要求に応える「運ぶ」営みのために、電気や情報の技術が貢献できることは多く、交通における電気・電子・情報技術の役割はますます大 きくなっています。本講義では、このような視点から、電気エネルギーおよび情報通信や計算機技術を積極的に用いて人や物を「うまく」運ぶ方法論を

--電気自動車、ハイブリッド自動車
--リニアモータ・磁気浮上超高速鉄道
--電気鉄道など軌道系の交通システム
--宇宙環境におけるロボットの移動技術

を例に、オムニバス形式で2-3時間程度ずつ解説をし、高校や教養学部で習う物理や数学の延長上にどのようにこれらの技術が構築されているかをできるだけわかりやすく具体的に解説するとともに、最新の研究動向を紹介します。

(この研究に興味を持つ受講者には希望により研究室の見学なども可能です。熱心な文系の学生も歓迎するが、基本的には高校の理系科目選択者程度の物理、数学の知識を前提とした講義内容とします。)

古関隆章(こせきたかふみ 教授 工学部)以外の講師陣:
藤本博志(ふじもとひろし 准教授 工学部)
居村岳広(いむらたけひろ 講師 工学部)
+JAXA 宇宙科学研究所, 新領域創成科学科 および東日本旅客鉄道株式会社からのゲスト講師 計5名(水間/久保田/林屋/関島)

---H29年度の講義スケジュール---
(各講義タイトルは概要を示すものですので、今後、微修正の可能性があります。3/22)
              16:50-18:35 講義あしろけ@104教室 駒場キャンパス


(01) 04/07 (Fri) 古関 初回 講義ガイダンス+エネルギー変換と電気駆動
(1-1) 4/7最初に説明した講義全体の進め方についてのスライドのコピーをこちらからご入手 ください。(講義中に示したPWつき)
(1-2)  4/7に説明した電気機械エネルギー変換概説と、4/21に説明する電気車の駆動技術のスライドのコピー(講義中に示したPWつき 0.8MB)
4/7最初に説明した講義全体の進め方についてのスライドのコピーをこちらからご入手 ください。(講義中に示したPWつき 25.5MB)
(02) 04/14 (Fri) 水間 交通システムの安全性とその評価技術 I
(03) 04/21 (Fri) 古関 電気車両駆動技術史;電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
(04) 04/28 (Fri) 藤本  電気自動車の運動制御
(05) 05/12 (Fri) 藤本 電気駆動と航空機 ------ 電気で空を飛べるか?
    5/19 午後 本郷 電気電子・電子情報工学科 研究室公開
    5/20-21 五月祭でも研究室の展示などがあります。 奮ってご参加ください!
(06) 05/26 (Fri) 久保田  宇宙研の紹介, 宇宙に挑む制御の技術
05/30 (Tue) 水間 交通システムの安全性とその評価技術II
(08) 06/09(Fri) 関島(古関)電気鉄道の環境性とそれを支える電力供給技術 I 鉄道電気システムの基本

6/9, 16のスライドの(配布可能な一部の)資料を、こちらからご入手ください。(6/9のスライドへのリンク  6/16のスライドへのリンク) (いずれも講義の最初に示したPWつき) 
(09) 06/16 (Fri) 関島(古関) 電気鉄道の環境性とそれを支える電力供給技術 II JRの新技術への挑戦
(10) 06/23 (Fri) 久保田 映画「HAYABUSA はやぶさ」に見る電気電子技術

(11) 06/30 (Fri) 居村  ワイヤレス電力伝送の概説

(12) 07/07 (Fri) 古関 磁気浮上とリニアモータを応用した交通システム
7/7のスライド資料をこちらからご入手ください。(講義の最初に示したPWつき)

(13) 07/14 (Fri) 久保田  宇宙の謎を探る,月惑星探査ロボット

講義終了しました。ご聴講の皆様、ありがとうございました。

----------------------
重要:
本講義の成績評価の主たる部分は以下のレポートの評価結果に基づき行います。
レポートを、以下の要領でe-mailで提出してください。成績評価は、レポート採点結果と講義への出席回数を総合し、厳正に行います。

[1] 締め切り (教員側で採点作業をし報告できるぎりぎりの設定をしているので厳守してください!)
  7 月  18 日~ 7月 28日 (16:50〆)

[2] 提出先
pdfのe-mailの添付ファイルとして takafumikoseki <あっと> infoseek.jp あてに 
(スパム防止のため、上記の<あっと>を@に書き換えてアドレス手打ちで出してください!)

(古関から受け取り確認のメールを返しますので、その確認の連絡が7/30 22:00 までに来ない場合には古関まで(別アドレス: takafumikoseki<あっと>ieee.org)確認のご連絡をお願いします。)

[3]  レポート提出に関する技術的注意と参考情報
着実かつ迅速な採点作業のための重要な技術的お願い:
e-mailの Subject: 欄を以下の形式で書いてください。
Ashirocket_Report_to_レポートを見てほしい希望教員名: 学生証番号 提出者氏名
(例) Ashirocket_Report_to_KOSEKI: 240557d学生太郎 

同様に、レポート本文の添付ファイル名を

学生証番号_提出者氏名.pdf
(例) 240557d_GakuseiTaro.pdf
としてください。

 ワープロなどは任意ですが、 フリーのlibreofficeなどを用いれば、数式を用いた文書もpdf化も含めすべて簡単に処理できます。(ちなみにこのページや教材の作成は、 OSもWindows環境ではなく、Ubuntu上のソフトですべてを行っています。)
google docs、zohoなどを用いても図入りの文書作成とpdf化は可能です。(ただし、数式作成機能はありません。)
また、任意の文書ソフトからの pdf化もフリーのツールで可能です。

 大きいファイル(数百 kB以上?)をメールに添付することは避けてください。そのような場合には http://box.raksul.com/ Dropbox などのフリーのアップローダをご利用ください。


[4] 表紙に記載する項目
課題名:  ○○○○ (-----課題2に相当する課題名)
学生証番号: ○○○○    提出者氏名: ○○○○ とコメントを返すためのメールアドレス
関係講義テーマとレポートを見てほしい希望教員: ○○○○
教員からのフィードバックを送るべきe-mailアドレス(夏休み期間でもアクセス可能なメールのアドレス) 


なお、ある聴講者の方からこのレポート提出について以下のお問い合わせがありましたので、ご参考までここに引用します。

-------------レポート提出に関する Q & A---------------------------
Q1 表紙に記載する「課題名」とは、[課題2]のレポートのタイトルという解釈でよろしいでしょうか。
A. はいそのようにお考えください。HPの記載もわかりやすく改めることにします。

Q2 [課題1]に関して、「レポートを見てほしい希望教員」とは関係講義を担当された先生のことだと思いますが、その他の先生方にも感想や要望をお伝えしたい場合、どうすれば良いでしょうか。
A. その他の先生へのメッセージは、見て欲しい先生の名前と共にそのコメントを、レポート提出時のe-mail本文にご記入いただければ、それを拝見して古関が必要な転送を行います。

以上、よろしくお願いします。
-------------レポート提出に関する Q & A終わり---------------------



----------------------
[5] レポート課題: 

[課題1] 上記の希望教員に焦点をあて、講義の感想、特に、要望や講義で改善すべき点など、来年度以降より良い講義にするためのご意見を記してください。(建設的批判を歓迎します。批判的意見を書いたから悪い評価に繋がることは決してないとお考えください。)

[課題2] 講義課題に関係するキーワードを選び、自分の興味のあるテーマを1つ設定し、それに関して、単なる調査ではなく、必ず自分の意見を入れ、 A4 レポート用紙で、6ページ以内で論じてください。

キーワードの例
超電導技術と輸送の科学

エネルギー変換と電気駆動
電気車両駆動技術史
電気鉄道と電気自動車の類似点と相違
電気鉄道の環境性
電気鉄道における電力供給技術

宇宙と電気技術者
月惑星探査
電気で動く宇宙探査機
宇宙に挑む制御の技術
探査ロボット

電気自動車の未来
電気自動車とバッテリー技術
ワイヤレス電力伝送技術
電気自動車の運動制御

(調査・参考した資料については、末尾に参考文献リストを記載し明示してください。参考文献の上手な挙げ方も評価対象になりえます。)


※講義改善への積極的ご提言は、上記のレポートの課題のみならず、講義アンケートあるいはこのブログへのコメントの形でも積極的にお寄せいただきますようお願い申し上げます。

初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」 改訂2017/07/17

初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」の詳細連絡のための掲示板

水曜4限(14:55-16:40) @駒場キャンパス K303 31782

What's new?
17/04/05 講義計画を公開しました。
17/04/26 am いくつかのリンクを更新しました。
17/04/26 pm 日程の誤記を修正いたしました。
17/05/18 pm Octaveによる演習のサンプルコードをアップ ロードしました。
17/05/25 pm Octaveによる二次系の演習のファイルをアップロードしました。
17/06/07 pm 台車つき倒立振子の理論およびOctaveによる挙動のシミュレーション例と、教材であるビュートバランサー2のプログラム情報を参考資料として追加しました。
17/06/30 堀教授のレポート課題を以下に掲載しました。
17/07/05 最終レポートの提出についての指示も掲載しました。

重要!
+++++++++レポート課題(堀)+++++++++++++++++
電気自動車考察課題:
 下記の3点につき,グループでまとめてレポートを作成して提出せよ。

(1)講師が講義で述べた「モータ/キャパシタ/ワイヤレス」の意味するところを簡単に述べよ。

(2)講義を聞いて新しく得られた知見があれば述べよ。講師の意見に賛同する点,賛同しない点についても述べよ。

(3)走行中ワイヤレス給電でクルマが走るようになると思うか?そのためにはどのようなビジネスモデルが考えられるか。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++
上記を以下の要領でご提出ください。
表紙に書くべきこと
-----------------
初年次ゼミ 「モーションコントロール入門---ロボットや車両を上手に動かす科学」堀教授レポート

班    第○班
学生証番号        氏名                    e-mail
 ○○○○○○○○    ○○  ○○        ###@##.#.#.##.jp
 ○○○○○○○○    ○○  ○○        ###@##.#.#.##.jp
 ○○○○○○○○    ○○  ○○        ###@##.#.#.##.jp
 ○○○○○○○○    ○○  ○○        ###@##.#.#.##.jp
 ○○○○○○○○    ○○  ○○        ###@##.#.#.##.jp

-----------------------

また、7/12の授業の際にプレゼンに用いたスライド(に議論を経て修正する必要があればそれの修正をしたもの)のpdfも、同時に提出してください。


上記をまとめて pdfの形で、7/14(金曜日) 23:59(JST)までにe-mail 添付書類としてTA清水 龍 shimizu@koseki.t.u-tokyo.ac.jp  あてに送付。 ---- 受信次第、清水TAから受け取り確認のメールを返信する予定ですが、 7/17正午までにその受け取り確認が受信できなかった場合には、確認のご連絡をください。(確認先:shimizu@koseki.t.u-tokyo.ac.jp および takafumikoseki@ieee.org)

  <===なお、ファイルサイズが5MBよりも大きくなり、メール添付が難しいような場合にはgoogle docs, dropbox, one driveなどのクラウドにアップロードし、それにアクセス可能なリンクをメール本文に入れる形でご提出ください。

 [1] 授業のタイプ 実験データ解析型
 [2] 学術分野(大分類/小分類)  工学/ 電気電子工学
キーワード: 物理 力学 運動方程式 微分方程式 動的システム 運動制御 ロボット 車両

[3] 目標、概要
す でに高校の物理で習ってきたように、目の前のものから、天体に至るまで世にあるものは力学に関する物理法則にしたがって動いている。ニュートンにより提唱 された力学の法則は数学的表現では、時間に関する二階の微分方程式の形をとり、ものをうまく動かすために、その微分方程式に基づく「動的な性質」を理解し 取り扱うことが重要になる。ものの「動的な性質」に着目して対象をモデル化し、状態を計測し、リアルタイムに情報を処理して、入力をうまく決め、「思った ように物を動かす」一連の手法を制御という。ここでは、倒立振子という、そのままでは倒れてしまうものを例題に、上手にものを動かすモーションコントロー ル=運動制御について、グループでの議論、数値計算、実験を通じて学び、数式に基づいて論理的に考えることの大切さを体験することを目的とする。

 [4] 授業の方法: 
  序盤は、高校で学んできた物理や数学の知識をもとに、動的なシステムの理解を深めるための入門的な講義を行う。推薦参考書、webからダウンロードした電 子版のテキストやスライド配布資料などを自習に活用しながら、講師の話を聞き、TAの支援を得て練習問題をやりながら、運動方程式の基本となる微分方程式 の表現や典型的な解法、それらを簡単に扱うためのラプラス変換という演算子法などの実用的に有用な手法を体験する。
 中盤には、パーソナル コンピュータを用いて、その上にある「制御系CAD」と呼ばれる計算に便利なアプリケーションを用いて、グループワークを行う。動的システムのモデルを記 述し、時間的な波形や周波数応答などを、実際に自分で数値的に計算し、様々なグラフを描く体験を通じて、動的なシステムの取り扱いや制御器を設計するとい う作業を、数値シミュレーショの中で仮想的に体験し、グループ内での議論や講師、TAとの議論を通じて、制御の面白さを感じながら、序盤で座学を通じて学 んだ物理数学的基礎や動的なシステムの取り扱いの科学に関して、さらに理解を深める。
 終盤には、グループごとに簡単な運動制御実験の中 で、実際に制御器の設計を実体験し、理論との相違や実世界における設計や計測の難しさを体験する。それらのシミュレーションや実験の結果を比較しながら、 グループの検討の成果を、レポートと発表資料の形にまとめる。最終日に小さな「研究発表」を自分たちで行い、グループ相互の質疑を体験する。

 [5] 教科書: なし ただし、参考プリント電子ファイルを本ページから配布

 [6] 参考書:
 木村英紀: 制御工学の考え方―産業革命は「制御」からはじまった 講談社(ブルーバックス) 新書   2002/12/16
 森 政弘, 小川 鉱一: 初めて学ぶ基礎制御工学? 東京電機大学出版局 2001/1
 佐藤 和也, 平元 和彦, 平田 研二: はじめての制御工学  講談社 (KS理工学専門書)
 遠山 啓 数学入門 上 下 岩波新書 -- この本は理系を志すすべての学生にお奨めです!

 [7] ガイダンス 初回講義 (=初回から3回目の4/26の講義)

 [8] 授業計画 

(01) 4/5 (水)全体ガイダンス(教養学部担当 大講義室

(02) 4/19(水) サイエンティック・スキル講習 (教養学部担当)
 ここでは、chrome bookを用いて、文献検索などの実習を行っただろう。あまり個人として費用をかけず(初期投資4万円くらい?)PC操作法や文献検索などに習熟したい時に、Chrome bookは確かに良い選択肢となる。この場合文書のまとめ、整理などはgoogle officeを用いると良い。
 (ちなみに、古関が個人的に2017年4月時点で使用中で、お奨めできるのはこちらの製品。)

(03) 4/26 (水) 文献検索実習 +「第1回目 モーションコントロール入門」  (担当教員 古関・ TA清水)
制御工学入門:
講義:「ダイナミック」に考えることの重要さ!
制御工学とは? 運動制御は我々の生活にどのように役立っているか? 制御の難しさと面白さ この授業の進め方
PC演習:
本年は、初回からOctaveを用いて数値計算する方法を体験的に学びましょう。
Octaveの基本操作とベクトル演算 Octaveを用いた練習問題、解説をこちらからご入手ください。
(ただし、これは現段階では参考資料として示すのみです。もともと3年生用の演習のための教材なので、わからないことがあっても気にする必要はありません!)

4/26の講義資料のコピーをこちらでご入手ください。(ファイルは暗号化されております。講義中に示したPW: M##########7 です。)

(04) 5/10 (水) 「第2回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
講義: 工学への数学応用は「思考の節約=手抜き法」である!
PC演習: Google, OPACなどを用いた検索方法、
     クラウドへのファイルの保管、 オンラインofficeの使い方
     Libreofficeを用いた文書の取りまとめ

(05) 5/17 (水) 「第3回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)   講義: 賢い手抜き法I: 運動方程式と運動の軌跡: 線形微分方程式の解法

速度に比例する抵抗力が働く落下運動の計算法の補足資料をこちらからご入手ください。


 (06) 5/24 (水) 「第4回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
講義と演習: 賢い手抜き法II:
Octave演習続き: 運動方程式の記述を状態変数法に変換し、数値計算で運動軌跡を計算する方法

5/17のファイルとかなり重複がありますが、二次系の挙動に関する計算法の補足および5/31の講義で取り組んでいただく演習問題をこちらからご入手ください。

 (07) 5/31(水) 「第5回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
演習: 賢い手抜き法 III:
信号の流れを図で表現する方法
振動(ばね)と減衰(ダンパ)の数学表現---複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える手抜き法
複雑な現象を身近にある簡単なモデルにあてはめて考える計算法
(演習: 二次系の応答計算+ 実験教材配布)

(08) 6/07 (水) 「第6回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA  武田
演習: 二次系の応答計算への取り組みの各班からの報告と議論 ここから2回は自分たちで実験やその確認の数値計算をして、グループ発表の準備を2回でしていただきます。皆さんの自由な取り組みによる良い発表を楽しみにしています!

(A) 6/7の講義で武田TAが説明した教材であるビュートバランサー2の操作プログラム及びその情報はこちらでご入手ください。また、

(B) ビュートバランサー2のような台車つき倒立振子の運動方程式の導出、およびその制御のシミュレーションの参考例を、こちらでご覧ください。

(C) 上記の制御のシミュレーションをOctaveで行う際のコード例を、こちらにお示しします。

これらを参考しながら、 6/14, 7/05の2日を使い、実験、その結果の考察を各班で議論しながらスライドにまとめ、 7/12の最後の講義の日に発表しましょう。

(09) 6/14 (水) 「第7回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
実験の体験とグループ討論: 不安定システムを安定化する II
角度および速度フィードバックゲインの設定による挙動の変化の体験 

☆(10) 6/21 (水) 「第8回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 堀・TA 清水)
講義:  運動方程式を簡単に解きモデルを見やすくする数学
   電気自動車の運動の理解と数学的表現 
6月の堀教授による説明予定資料も含め、堀教授の講義にかかわる資料を以下のリンクから御入手ください。
A-1. 電気自動車関係 ここからご入手ください。(2015年度のPWつき 約377MB 大きいので注意)
A-2. 電気自動車関係 ここからご入手ください。(2015年度のPWつき 約731MB 大きいので注意)
A-3. 電気自動車関係 ここからご入手ください。(2015年度のPWつき 約107MB 大きいので注意
B. 基礎制御工学まとめファイル 4 (2015年度のPWつき 約23MB)
C. 運動制御まとめファイル 5 (2015年度のPWつき 約11MB)
D. ラプラス変換 の理論まとめファイル6 (2015年度のPWつき 約2.5MB)

なお、上記Dに相当する堀先生のラプラス変換についての教科書はこちらですので、興味のある人は成書をじっくりと読んで学んでください!

☆(11) 6/28(水) 「第9回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 堀・TA 清水) 
      電気自動車の運動制御へのフィードバック制御の応用 

(12) 7/05 (水) 「第10回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
実験結果を解釈、説明するための計算、グループ討論を通じた制御性能の評価と成果発表の準備(1グループ10分のプレゼンテーションの資料をまとめる作業)

(13) 7/12 (水) 「第11回目 モーションコントロール入門」 (担当教員 古関・TA 清水)
グループ成果発表と討論


---------------------講義は終了しました。聴講された皆様、ご苦労様でした!

議論・考察のための論点
以下のキーワード、論点を参照しながらグループ内で議論をし、良いプレゼンテーションにつなげよう。

(1) 運動の安定性と不安定性----- 安定なつり合いの点と不安定なつりあいの点 とはどのようなものか?
(2) 運動の安定化におけるフィードバック制御の意味
倒立振子の例の場合: 位置のネガティブ・フィードバック 速度のネガティブフィードバック の意味 なぜししばしば、位置のみならず速度のフィードバックも必要になるのか?
(3) 倒立振子の挙動の数値計算 実験の結果とそれに基づく考察
(モデルや実験の計画をどのように考えて、どのような作業をし、どのような結果を得たか?
それらは当初の予想、期待と比べて合っているか?違っているか?
違っているとしたらその理由は何だろうか?)
<ーー実際の実験モデルのシミュレーションと実験の比較はわからないパラメータやモデルに正確には把握でき無い各種の摩擦などの影響で難しいと思いますが、基本的簡易数値計算で比例フィードバックのゲインや微分フィードバックのゲインを変化させるとどのような応答が得られるかの傾向を把握し、その予想と実際の実験で制御器のパラメータを「標準」から変化させた時の挙動の変化を比較して論じることは可能でしょう。
(4) (自主的な)発展課題
例:安定化制御でモデルが実際と異なっていると何が起こるか? 
---たとえば倒立振子の先端に重りをつけて重くしてみたらどうなるか?
安定化制御をエネルギーの流れという観点から見たら、何が言えるか?など
その他、自由に自分達で議論のための問題設定してみよう!

プレゼンテーションのガイドライン: スライド 10-12枚程度?

----<スライドの構成例>----
 表紙 (表題、グループ番号 氏名)
 はじめに (目的 特に注目した点)
 内容
 問題設定
 (理論的基礎  基礎方程式 モデル)
数値計算
実験条件
実験結果
上記、理論と実験の比較に基づく考察

まとめ、おわりに
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<良い発表のためのヒント>

  1. 実験の条件、それぞれグラフのカーブが何を示しているか、を明示。
  2. 比較の際は軸のスケールをそろえて一目で量的な違いが分かるようにグラフを描く。
  3. 工夫した点をスライドのタイトルなどに盛り込む。
  4. 設計で何を考えたかを論理的に述べる。
  5. できる限り理論的な推定と実験結果を比較して話を組み立てられるとよい。(実際には実験機で分からない条件が多いためここはなかなか難しいが
[8] 学習上のアドバイス
(1) 自主的に学習に取り組もう。
(2) このページに掲げた参考文献を始め、関心を持って、制御や動的システムに関する参考書に予め目を通し、疑問に思う点をまとめて授業に参加しよう。
(3) 物理的直感を重視しながらも、数式を嫌わず、数式に基づいた合理的な議論をするよう心がけよう。
(4) 疑問に思う気持ちを大切に、恥ずかしがらず疑問に思うことは、講師や仲間に積極的に質問して、議論を通じた理解を深めよう。
(5) インターネットを通じて入手できる SciLab Octave などのツールを調査し、自分のPCにインストールして色々自分で試してみよう。


[9] 成績評価
(講義参加実績+プレゼンテーションの出来): (50%) 
+(堀先生宛レポート+期末レポート): (50%)

ご参考;
倒立振子実験キット ビュートバランサ 2
倒立振子の実験に関する沼津高専の論文
関連ソフトのダウンロードのページ
システム情報制御学会の特集記事のページ