2014年3月19日水曜日

電気電子工学科 学部3年生「電気機器学基礎」 (2014/07/13 改訂)

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昨年度まで効果的であった講義のやり方を踏襲し、出席調査がわりの簡単なレポート課題を出題します。毎週このブログを良く見てください。

----本学期の講義予定(暫定版)----
回数 日 曜日 テーマ 内容

1) 2014/04/07 月 はじめに
電気-機械エネルギー変換、電気機器の種類と歴史

4/14 に提出をお願いする第1回目のレポート課題をこちらから御入手ください。
                                   (=> 提出の日付に誤記がありましたことをお詫びします!)

本日の講義で示したスライドのコピーはこちらから御入手ください。(講義にて示したPWつき)


  ★講義レポートといえども「読み物として完結」している必要があります。したがって、
(1) 学生証番号/氏名
(2) 表題(講義レポートの場合には問題文の再掲でも良い)
(3) 内容(事実と意見コメントなどは明確に分けて書くのが良い)
(4) (必要に応じ)参考文献リスト、参考資料の出典
などの基本的事項が、たとえ短い報告書であっても形式的に明確に示すようにしてください。

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2) 2014/04/14 月
電気機械の種類と分類、電気機械エネルギー変換の物理的基礎、エレクトロニクスとパワー、電気機械エネルギー変換技術の社会的役割とその重要性、電気機器学の学問としての位置づけ

 4/21に提出をお願いする第2回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

3) 2014/04/21 月
思考の上手な手抜き:磁気回路法によるモデリング
(変圧器の復習+電磁誘導における各種起電力)

4/28に提出をお願いする磁気回路と変圧器の基礎に関する第3回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

4) 2014/04/28 月
午後の実験課題との関係: 変圧器(と誘導機)の等価回路
直流機: 直流電動機と発電機、同期機の特殊形としての直流機

5/12に提出をお願いする直流機の基礎と三相電力の測定法に関する第4回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

5) 201405/12 月 変圧器、誘導機の等価回路と測定法(ごく簡単に!)
 他励直流機の結線と特性の比較 
 各種自励直流機の結線と特性比較
  (複巻電動機・発電機)
 速度制御と弱め界磁 
 直流機の過渡現象の制御モデル

5/19に提出をお願いする自励式の直流機の回路と特性についての第5回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

6) 2014/05/19 月 

誘導電動機I
   三相対称交流と回転磁界 誘導機の単相等価回路 
   変圧器と誘導電動機の関係
   誘導電動機の原理と等価回路(=T型、π型等価回路)
モデル同定のための測定法

三相巻線、三相対称交流で回転磁界(進行磁界)が何故できるかについて、教科書の記述pp.56-57に加え、下記の図もご参照ください。



5/26第二限の自習のお願いを兼ねた、6/02に提出をお願いする交流回転機の基礎と誘導電動機の単相等価回路について第6回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

また、興味のある方は誘導機の等価回路導出法に関する詳細な数学的補足説明を、こちらでご覧ください。


7) 2014/05/26 月  休講: プリントによる誘導機特性計算演習を自習の形でお願いします。ご迷惑をおかけしてすみません!

誘導電動機II
 等価 回路に基づく特性計算 テブナンの定理とすべり--トルク特性


8) 2014/06/02 月 誘導機III
誘導機の種類とエネルギーの流れ、円線図を用いた特性の表現
誘導機の始動法
誘導機の速度制御
空間高潮波とゲルゲス現象などの諸注意、単相誘導機(小型誘導機)

6/02の復習としての誘導電動機の特性計算に関する第7回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

9) 2014/06/09 月 同期機 I : 三相巻線と同期発電機の原理
 復習: 三相巻線と進行磁界
誘導機の基本的復習に関する第8回目のレポート課題をこちらから御入手ください。

10) 2014/06/16 月
同期機II:構造と分類, 同期機の機能, 電機子反作用

同期機の基礎に関する第9回目のレポート課題をこちらから御入手ください。

11) 2014/06/23 月 同期機 III  
特性のモデリング(円筒形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
測定法、 発電機と電力系統 


同期機のモデリングに関する第10回目のレポート課題をこちらから御入手ください。

12) 2014/06/30 月 同期機IV
特性のモデリング(突極形発電機の等価回路とフェーザダイアグラム)
測定法、 発電機と電力系統 

同期機の特徴や単位法に基づく簡易計算についての第11回目のレポート課題をこちらからご入手ください。

13) 2014/07/07 月 同期機V
同期電動機の種類とその特長、同期電動機: トルクの発生原理 V特性と同期調相機

同期電動機の基本に関する第12回目のレポート課題をこちらからご入手ください。
14)  7/14 パワーエレクトロニクス入門 
(パワー半導体デバイス、信号処理とパワーのエレクトロニクスの相違、DC/DC, AC/DC, AC/AC, DC/AC変換, オンオフ機能を持たない素子と転流回路, 高調波問題と解析法,
オンオフ制御能力を持つ素子とPWM, ACモータのインバータによる可変速駆動, サーボモータ
+電気駆動制御と座標変換
制 御 同期機の原理と直流機の関係
エネルギー流れの理解、過渡現象の理解、
制御と電気機器の一般理論?)

+期末試験について:演習問題の復習など

上記の補足プリントをこちらからご入手ください。(暗号化ファイル:初回の講義で記録していただいたPWつき/なお、初回スライドの中にもその記述がある。)


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14) 2014/07/28 月  09:00-12:00 期末テスト@246教室
         自分で書いたA4の紙1枚持ち込み可能

以下の☆の数はあくまでも初心者向けという観点からの古関の個人的見解に基づくものです。

--- 本年度教科書指定---
仁田旦三・古関隆章:
 新・電気システム工学 電気機器学基礎 数理工学社 ISBN-978-4-901683-76-0 
  作業中で不完全ですが正誤表や演習問題の解答をここでご覧ください。

---推薦参考書----
<入門書として初学者に読みやすいもの>
☆☆☆☆「エレクトリックマシーン & パワーエレクトロニクス」
エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会 編/森北出版(定価 2800円)
(専門性の高いレベルまでコンパクトにまとめられている。)
電気学会 多田隈他:「電気機器学基礎論」

☆☆☆☆☆:西方正司 基本を学ぶ電気機器 (オーム社 ISBN-978-4-274-21138-6)
(初学者に大変わかりやすく記述されている!)

☆☆☆藤田:「電気機器」 森北出版
(amazonでは5つ星がついています!)

<一般的なもの>
☆☆☆☆☆:「最新小型モータが一番わかる ~基本からACモータの活用まで~ (しくみ図解)」見城 尚志, 陳 正虎, 簡 明扶 著
出版社: 技術評論社 (2013/3/27), ISBN-10: 4774155845, ISBN-13: 978-4774155845

技術に興味のある人向けの一般的な解説書ですが、写真や図が具体的で、原理的な理解を深めるのに適していると思います。

☆☆☆:(株)日立製作所総合教育センタ技術研修所編
「小形モータの技術」 オーム社
メーカのエンジニア養成を目的に書かれていますのでわかりやすく実用的です。電気自動車や有限要素法による特性計算の話題までカバーしますので、基礎的な知識を広く身につける意味でお薦めです!

電気学会 「電気機械工学」「電動機制御工学」

☆仁田他: 「大学課程 電気機器(1)」 オーム社
(これは昨年まで準教科書として用いていた書籍です。現在、名誉教授の仁田丹三先生が、数理工学社から出版予定の教科書を執筆準備されています。)


<専門性の高いもの>
本ブログでも詳しく紹介した電磁気と制御の応用を統一的に解説した優れた参考書
(必ずしも電気機器学の伝統的な構成にそって記述されているものではありません。)
☆☆☆:坂本哲三 著 「電気機器の電気力学と制御」 森北出版

英語で基礎的なことが良く書かれている本(これは古関が大学院生の時に輪講のために購入したものですが、現在では入手が困難になっているようです。)

2014年3月5日水曜日

2014/03/13 索道技術検討会での講演資料

あまり技術的内容が濃くない講演ですが、可変速駆動制御技術という観点から現在の索道関係の技術を概観してみたいと思います。

エレベータ、索道のための電機駆動制御技術

---1--- はじめに 直流機から交流機へ: 電気鉄道 エレベータ 索道 電気自動車....

---2--- パワーエレクトロニクス以前の可変速駆動技術
---3--- パワーエレクトロニクス 損失なく電圧・電流を変化させる=スイッチング
---4--- 直流機の長所と短所
---5--- 交直変換回路  VVVF インバータ

---6--- 電気鉄道の場合 ドイツの機関車 
---7--- 電気鉄道の場合 新幹線
---8--- 電気鉄道の場合 リニア・モータ・カーもまた交流駆動技術の一例

---9--- スイッチングデバイスの種類と近年の技術動向

---10--- エレベータの歴史(ローマ時代?)
---11--- エレベータの商用化: 非常止め装置の発明者 オーチス
---12--- 黎明期から参入した日本のエレベータ技術
---13--- 直流機の時代
---14--- 交流機化
---15--- より高く = より速く?
---16--- 大切な振動抑制制御

---17--- 索道技術
---18--- 索道とケーブルカー
---19--- 索道の歴史
---20--- 世界の索道
---21--- 日本の索道
---22--- 索道で重要な技術要素
---23--- 索道の駆動システム
---24--- 索道の駆動システム
---25--- 索道駆動システム: ダイレクトドライブ技術

---26--- 結論
可変速駆動の技術---工作機械 加工用機械で発達したパワーエレクトロニクスとAC可速駆動制御
1980年代 電気鉄道に適用 1990年以後はインバータを用いたACモータの電気車の時代へ
エレベータもほぼ同じ経緯
索道では可変速の連続的な制御は必須ではない?しかし技術は着実に波及
  ==> 省メインテナンス・小型化・省エネルギー
可変速駆動は振動抑制など制御制御の高度化にも貢献(エレベータ)

カーブルカーに関する技術専門誌 http://www.isr.at/Home.21.0.html


##御聴講下さりました皆様は、より詳細な資料をこのリンクから御入手ください。ただし、掲載図面などに著作権上の問題があるため公開できませんので、ファイルを暗号化しております。